昔からよく「株に手を出すな!」などと言われていますが、株式投資は決してギャンブルではありません。
もちろん、常にリスクがつきまとうのも事実ですが、土台となる知識としっかりした投資スタンスさえ持っていれば、ギャンブルよりもはるかに堅実に儲けることができます。
株をはじめることはむしろ、資産運用の一手段として積極的にやるべきものなのです。とはいっでも、いきなり難解な投資理論を模倣することはおすすめできません。
株初心者の方が、無理をすると大損をする可能性もあります。まずは時間をかけて株の基礎を学び、徐々に経験を積んでこそ、あらゆる状況での判断能力が養われてくるのです。そういった意味で、株をやることはスポーツに通じるところがあるかもしれません。
幸いなことに、いまはインターネットを使って簡単に情報を収集したり、株売買ができる時代です。相場の動きもオンタイムで手に取るように伝わってきます。株売買手数料の安いネット取引の普及によって、少額投資でも儲けを得られる可能性は十分にあります。今から株をはじめる方にとっては、とても恵まれた環境にあるといえるでしょう。
ここでは、これから株をはじめようと考えている人が、無理なく基礎知識を身に付けるための基本を丁寧に解説しています。また、インターネット時代ならではのメリットを享受するためのノウハウもふんだんに盛り込んでいます。
ひとりでも多くの方々にとって、投資生活のはじめの一歩を踏み出す一助となることを願っています。
なぜ多くの企業が株式上場を目指すのか?
不特定多数の投資家から多額の資金が集められる、というのが株式上場の一番のメリット。しかも、集められた事業資金は借金と違って返済する必要がないのですから、企業にとってこんなにオイシイ話はありません。
上場すると、株の発行以外にも多くの資金調達の選択肢が与えられます。新株予約権付社債、公募普通社債などの発行も可能になるからです。
また、上場していることは企業にとって大きなステータス。社会的な信用力が格段に高まることにより、営業活動や金融機関からの借り入れもスムーズになります。
経営方針や新商品などの情報がマス・メディアで報道されることにより、広告宣伝費をかけなくても知名度が向上し、ビジネスチャンスの拡大にもつながります。知名度が高まれば、優秀な人材が確保できます。
社外だけでなく、社内に与える影響も大きいものです。上場までの道のりは険しいものですが、株式上場をめざすという目標を設定することで、社員のやる気が引き出されます。社員のやる気は企業全体のエネルギーにつながります。
めでたく上場を果たしたあとも、毎日、新聞に株価が載ったり、新商品などの情報が記事になったりすることは、日々の業務でのよい意味での緊張感になります。
このように、株式上場は企業にとっていいことばかりのように見えます。多くの企業が株式上場をめざすのもそのためです。
しかし、株式公開をするということは企業が不特定数の株主のものになり、つねに株主たちに経営をチェックされているということでもあります。
そのため、なかには誰でも知っているような有名企業でも、上場していないところもあります。例えば、朝日新聞社や講談社、口ッテ、サントリーなどは、意外にも非上場企業なのです。
株式上場をめざすかめざさないかは、結局のところ、その企業の経営者が「上場したいかどうか」にかかっているといえます。